カーニバル
カーニバルの季節がやってきました。
カーニバル(carnival)は普通、「謝肉祭」と訳しますが、それでは、カーニバルのどこに「肉」があるのでしょうか。
「肉」は英語では「meat」ですが、ラテン系の言葉では「カルネ(carne)」といいます。どうやら「カーニバル」の「カーニ」あたりに肉がありそうです。以下、以前イタリアに出張したときに現地人社員から教えてもらった話。
カーニバルの日にちは毎年変わります。起点になるのはイースター(復活祭)です。イースターはキリストが磔刑(たっけい)になってから3日後に復活したことを記念する日で、春分以降の満月の後の最初の日曜日、となっています。そしてイースターの前の40日間は、キリスト教徒は肉を食べないのだそうです(「40日間」には日曜日をカウントしない)。その40日間に先立つ1~2週間がカーニバルです。つまり、40日間肉を食べられないので、その前に肉を食べておこう、ということなのです。それで、「カーニバル」は「肉を食べてもよい」という意味なのだそうです。
肉を食べない40日間は水曜日から始まります。よって、カーニバルはその前日の火曜日に終わります。カーニバルの最終日のことを「マルディグラ(Mardi Gras)」といいます。「マルディ」は仏語で「火曜日」、「グラ」は「太った」(「フォアグラ(foie gras)」の「グラ」です)という意味です。カーニバルで肉をたらふく食ったので最後の日にはでっぷり太っている、というわけです。昔、CCR(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)のアルバムに「マルディグラ」というのがありました(「サムデイ・ネバー・カムズ」が入っているやつです)が、こういう意味だったんですね。
今年(2008年)は、春分の日が3月20日、そのあとの最初の満月が3月22日、イースターが3月23日、マルディグラが2月5日です。
さて、カーニバルで代表的なところといえば、やはりベネチアとリオデジャネイロでしょう。(私の独断)
ベネチアのカーニバルとリオのカーニバルは、当然のことながら同じ時期にあります。ベネチアのカーニバルは「仮装」が有名です。前出の現地人氏によれば、貴賤を隠すために仮装したのが始まりだ、ということでした。前にベネチアのカーニバルを見に行ったときは、2月で、雪が降っていてめちゃくちゃ寒かったのを覚えています。ホテルに帰ってテレビをつけると、リオのカーニバルをやっていました。あちらは南半球で、みなさん裸同然の格好で踊っていました。ちなみにリオのカーニバルには250ページにもおよぶマニュアルがあるそうです。
カーニバルが終わると次はイースターです。ヨーロッパでは、イースターを含む金曜日から月曜日までを「イースターホリデー」といって、たいてい4連休になります。イースターは春の到来をも意味し、冬の間は休んでいた観光地のホテルや遊覧船なんかは、イースターホリデーから営業を再開します。
イースターは、英語では「イースター(Easter)」ですが、南欧では「パスクワ」といいます。ちなみに、アメリカのフロリダ州の名前は、スペイン語の「パスクワ・フロリダ(Pascua Florida: 花の復活祭)」から来ているそうです。
今回はヨットにぜんぜん関係のない話でした。お詫びにレーザーの写真を1枚載せておきます。
2008年2月3日 西野・記
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